フリーランス最強の節税制度「小規模企業共済」

小規模企業共済 お金を貯める
コージ
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このサイトでは、「NISA」、「iDeCo」、「ふるさと納税」と、個人が節税できる制度をご紹介してきましたが、今回は、フリーランスなどの自営業者が使える、最強の節税制度と言える“小規模企業共済”について詳しく解説させていただきます。

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小規模企業共済とは

小規模企業共済とは、小さい会社の経営者や、個人事業主などのフリーランスが入れる退職金制度です。国が全額出資している中小企業基盤整備機構というところが運営しており、現在、全国で約153万人(※2022年3月)が加入しています。資産の運用残高は、約10兆円を超えています。

小規模企業共済制度の現在の在籍人数は約153万人、資産運用残高は約10兆5,018億円です。令和2年度の受給状況は、共済金受給額が約5,131億円、共済金受給額の平均は1,130万円、共済金受給者の平均在籍年数は約19年となっております(令和3年3月末現在)。

参照:小規模企業共済

ちなみに、私も現在、個人事業主をやっていますので、今回紹介する小規模企業共済に加入している1人です。

小規模企業共済のメリット

小規模企業共済のメリットとしては、次の点が挙げられます。

  1. 掛け金が全額所得控除できる。
  2. 金利が高い(1%以上)。
  3. 受け取るときは、退職所得控除が適用できる。

この中で、1番のメリットは、1つ目の『掛け金が全額所得控除できる』ということでしょう。

このメリットは、以前紹介したiDeCoと同じですが、掛け金を全額控除できると何がいいかと言うと、節税効果が非常に大きいのです。

また、2つ目の“金利が高い”というのは、どういうことかというと、小規模企業共済の掛金には、運用利回りが設定されており、その金利が1~1.5%とされています。

現在、銀行の普通預金の金利は、0.001%ですので、小規模企業共済の運用利回りは、その1000倍となり、金利が高いのが特徴です。

たとえば、30歳の自営業者、課税所得500万円の人が、60歳までの30年間、上限額の毎月7万円を掛け続けた場合、このような結果になります。

シミュレーション1

これは、小規模企業共済制度の加入シミュレーション結果ですが、掛け金の合計は、25,200,000円で、共済金として受け取れる額は、30,436,000円となります。

つまり、利息として、約523万円分多く受け取れることになります

一方、同様の条件で、銀行に預金して場合は、たったの4000円程度が利息となります。

しかも、小規模企業共済の場合、これに加えて、毎年255,600 円の節税もでき、30年間の合計節税額は、約766万円の節税となります

つまり、先ほどの利息の件と合わせると、単純計算で、約1,200万円以上得になるということです。

  • 何も考えずに銀行に預けた場合だと、4000円の利息。
  • 一方、小規模企業共済の場合は、1,200万円以上得。

もちろん、このシミュレーションは、小規模企業共済の上限額の70,000円を30年間かけ続けた場合ですので、掛ける金額や期間によりシミュレーション結果は異なります。

ちなみに、こちらが所得と節税額の一覧となります。

シミュレーション2

当たり前ですが、所得が多いと節税額も多くなりますし、掛け金が多いと節税できる額も多くなります。

小規模企業共済のシミュレーションは、中小機構のホームページで確認できますので、リンクを張っておきます。→ シミュレーション

小規模企業共済の掛け金

小規模企業共済の掛け金は、月額1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。

掛け金

ただし、これから説明する“小規模企業共済のデメリット”を考慮すると、最初は無理をせず、少額から入ることをおすすめしています。

小規模企業共済のデメリット

さて、掛け金が全額控除でき、金利も高い小規模企業共済ですが、デメリットについてもお伝えしておきます。

小規模企業共済は、あくまでも退職金制度なので、基本的には、“長い期間”入り続けることが条件となります

1)1年以内に解約するケース

たとえば、最初の1年目に任意解約することになった場合は、「掛け捨て」となってしまい、1円も戻ってきませんので、これなら最初から入らないほうがいいです。

2)20年未満で解約するケース

また、共済金を受け取る場合、この表の通り、①共済金A、②共済金B、③準共済金、④解約手当金の4種類があります。

共済金の種類

上から下にいくにつれ、受け取れる共済金が減るのですが、たとえば、個人事業主を廃業した場合は、共済金A扱いとなり、一番多く共済金を受け取ることができます。

これは、月額1万円で、加入した場合の受取額の一覧となりますが、共済金Aが一番多く受け取れることが分かります。

共済金の受け取り種類額

そして、最も注意すべきは、途中で“任意解約”する場合です。

任意解約する場合は、解約手当金扱いとなり、この場合だと、20年未満の期間だった場合は、元本割れをすることとなりますので、注意が必要です。

元本割れを避けたい場合は、任意解約となる“解約手当金”以外の扱いで共済金を受け取るか、20年以上かけ続ける必要があります。“解約手当金”以外の場合や、解約手当金でも、20年以上掛けた場合は元本が戻ってきます。

まとめ

ということで、今回のまとめです。

  • 小規模企業共済とは、小さい会社の経営者や、個人事業主などのフリーランスが入れる退職金制度である。
  • 小規模企業共済のメリットは、次の通り。
    ① 掛け金が全額所得控除できる。
    ② 金利が高い(1%以上)
    ③ 受け取るときは、退職所得控除が適用できる。
  • 小規模企業共済のシミュレーションは、中小機構のホームページで確認できる。
  • 小規模企業共済は、あくまでも退職金制度なので、“長い期間”入り続けることが条件となる。

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